発達障害の豊かな世界



発達障害の豊かな世界
発達障害の豊かな世界

商品カテゴリ:人文,思想,学習,考え方
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自閉症のてる君は、中学を卒業後、理解ある会社に就職したが、その前後から色鉛筆で絵を描き始めた。絵は、彼の幼稚園時代の1日を描いた経時的なものであることが次第に明らかになってきた。結局、てる君は10年もの歳月をかけ、千数百枚に及ぶ連続画を描き続けた。本書は、こんなちょっとミステリアスな導入で始まる。てる君が描いた連続画からは、自閉症の豊かな内的世界を垣間見ることができるという。

自閉症をはじめとする発達障害は、専門とする児童精神科医が少ないため、今日最も需給バランスの悪い臨床領域となっている。その原因は発達障害の「とっつきの悪さ」にあるのではないかと著者はみる。だが、一度この世界に踏み込んでみると、想像以上に豊かな臨床が展開されていることが理解できるという。そのことを知ってもらいたいという願いから本書は生まれた。

本書では、著者のライフワークともいえる発達障害に関するさまざまな臨床研究が紹介されている。自閉症をはじめ、アスペルガー症候群、ダウン症候群、ADHD、トゥーレット症候群などについて、臨床例に基づき障害の特徴や治療、対応などについて解説している。自閉症と仕事に関しては、職種によってはかなりの成果が期待でき、むしろ高機能自閉症者のほうが就職に困難な問題を抱えているという。堅苦しい専門書ではないので、発達障害の子を持つ親や教育関係者はもとより、発達障害への理解を深めていく上で広く手に取ってもらいたい1冊といえる。(清水英孝)



発達障がい児に関わる全ての人へ

自閉症の心の世界を、自閉症者の手記とはまた違う視点から分かりやすく伝えてくれる本。いわゆる専門書のように難解な言葉は使われていないので読みやすく、かつタイムスリップなどの大切な事象についても触れられています(自閉症の全ての特徴について述べられているわけではありませんが)。発達障がい児の保護者や、保育士、先生などの支援者が最初に読む1冊として特にお勧めします。著者の、自閉症児への暖かいまなざしが伝わってきて、読んだあとに心が温かくなる本です。
発達障害の世界が広がっている

 他のレビュアーが書いているので重複せず、しかも重要であると思われる箇所を紹介する。
P217
 おそらく80年代の後半になってからではないかと思う。障害児を中心とする臨床を行っていて、障害児全般、とりわけ自閉症が軽症化したと感じるようになった。・・・しかし、このような変化が療育の成果であるのか否かについては慎重な検討が必要である。・・・とくに一部のプログラムは、子どもの発達という非常に複雑な過程を、比較的単純化した仮説によって説明し、その仮説に基づいて訓練を実施するところに問題がある。運動機能障害に比し、心理的な発達は、はるかに複雑かつ複合的である。

 私も自閉症児に関わって20年以上経過するが、初めて面接した時の自閉症児とは、印象が異なるとのイメージを抱くようになっている。これは早期診断、早期療育に由来するものか、当時CARSがあれば、もう少し確信を持って言えるのだが、いずれにしても本書は中級レベルの書物としてお薦めする。
自閉症児の内面理解に

以前「心の科学」という雑誌に連載されていました。特に関心をひくのは,他の方も紹介されていましたが,タイムスリップによる連続画の話です。今の生活に辛いことがあったとき,重度の知的障害があるが,絵の描けるてる君は自分が楽しかった(?)時の話を連続した絵に描いてがんばった…という話です。絵の内容から自閉症の人の持つファンタジックな世界観やその特異な記憶のありかたなどうかがい知ることができます。それ以外にも「アスペの会」など保護者の会にも積極的に関わってこられた著者の体験に基づくエピソードは一読の価値があると思います。
保育士・教職員・福祉関係・会社関係の方ぜひ!

自閉症スペクトラムに関して、詳しく書いてあります。また、乳幼児からの保護者と行政等の役割。その支援方法、ある自治体の取り組み。青年期から成人へ就労に関して。その理解と誤解。保護者である親御さんの苦労と誤解。自閉症という広い範囲をもつ障害に関しどう支援していくか、療育していくか、けっして、社会に適応できないわけじゃない事。子供にかかわる方々に読んでいただき、個別ではなくすべての教育機関で「連携をとって理解して」いただけますようにこの本を一読していただきたい。子供の将来に不安をお持ちの保護者の方もぜひ、読んでみてください。
是非多くの人に見てもらいたい「てる君の連続画」

読み始めてまず驚くのは、18歳になった自閉者が、幼稚園時代のある1日を千数百枚の連続画として描き続けた「てる君の連続画」です。自閉症児の特徴の1つ、タイムスリップ現象の如実な具体例ですが、人生において記憶とは何か、ということを思わざるを得ません。著者はこれを「障害を生き抜いてきて証し」と捉えています。本書を一般向けでありながらも自らのライフワークと位置づける著者にとって、われわれに人間の持つ未知の可能性を示すことさえある自閉症児の「豊かな世界」の一例として、是非紹介しておきたい事例だったのだと思うし、実際その訴求力は感動的と言ってよいかと思います。

内容的にも、自閉症、アスペルガー症候群、ダウン症候群、ADHD、トゥーレット症候群など広範囲の発達障害について、それぞれに臨床例を示し、その特徴と治療・対応を述べ、就労の問題についても事例をあげて言及しています。入門書として読みやすいうえに、療育に携わる関係者には大いに役立つものと思います。



日本評論社
教師のための高機能広汎性発達障害・教育マニュアル
発達障害の子どもたち (講談社現代新書)
特別支援教育のための精神・神経医学 (学研のヒューマンケアブックス)
アスペルガー症候群と高機能自閉症の理解とサポート―よりよいソーシャルスキルを身につけるために (ヒューマンケアブックス)
子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス)




プラトンの呪縛 (講談社学術文庫)

不二古典―大学入試頻度順古文文法 (文法・下) (ルパン三世の合格大作戦 (4))

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魔女図鑑―魔女になるための11のレッスン

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